下地補修とは?塗装前の大切なひと手間

茨城県取手市を拠点に外壁塗装を手がけているリペイントワンです。
外壁塗装を検討する際に「見積書にある下地補修って何?」「壁の剥がれやひびを一緒に修理できる?」というご相談が増えています。
実は塗装後すぐに剥がれたり、早期にひび割れが出るケースでは、前回の下地補修が不十分だった可能性が高いです。
この記事では、下地補修の目的や必要性、工法の種類について、初めての方にわかりやすく解説していきます。
目次
下地補修とは

下地補修とは、塗装をする前に壁のひび割れや傷みを直し、塗料がしっかりと密着できるように整える大切な工程です。
普段は目立たない作業ですが、仕上がりの美しさや塗装の寿命を大きく左右するプロセスであり、軽視することはできません。
ここでは、下地補修の基本的な考え方と、具体的にどんな作業が行われているのかを詳しくご紹介します。
なぜ塗装前に下地補修が必要なのか
下地補修を怠ったまま塗装を行うと、塗料がしっかりと定着せず、すぐに剥がれたり、亀裂が再発しやすくなります。
実際、梅雨期から真夏にかけて湿度が高く蒸し暑い茨城県では、放置したひびから雨水が浸入して壁の内部にカビや腐食が発生し、建物全体が傷んでしまうことが多いです。
しかし、見えない部分まで下地補修で整えてから塗装に入れば、将来起こりうるトラブルを未然に防ぐことができます。
つまり、下地補修は単に外壁塗装をきれいに仕上げるためだけでなく、住まい全体の丈夫さや安全を守る役割を担っているともいえるのです。
どんな作業が行われるのか
下地補修には、外壁の状況に応じてさまざまな作業が含まれます。
例えば、亀裂をシーリング材で埋める、モルタルの浮きを取り除いて再充填する、錆を削って防錆処理を行う、などが代表的です。
作業内容 | 目的・効果 |
---|---|
亀裂の補修 | ひびを埋めて雨水の浸入や塗膜の割れを防ぐ |
モルタル浮きの除去・再充填 | 外壁の定着力を高め、浮きや剥がれを防ぐ |
錆の除去(ケレン作業) | 鉄部の劣化を防ぎ、塗料の密着性を向上させる |
防錆処理(錆止め塗布) | 再発防止に鉄部をコーティング |
欠損部のモルタル再成形 | 壁の強度を回復し、美観を整える |
表面的には見えにくい作業ですが、下地を丁寧に整えるだけで、塗装後の仕上がりや耐用年数が格段にアップします。
見た目だけでなく10年先まで安心して暮らせる住まいを実現するには、下地から丁寧に整えることが大切です。
下地補修の役割
下地補修には、塗装の仕上がりや耐久性を大きく高める効果があります。
いくら高性能の塗料を使っても、表面に欠けや傷みが残ったままではすぐに劣化してしまいかねません。
しかし、あらかじめ外壁の状態を丁寧に点検し、必要な箇所をきちんと補修しておけば、将来的な外壁トラブルやメンテナンスの頻度を少なくできます。
塗膜が密着しやすくなり、長持させる
塗料は、下地としっかり結びついて初めて本来の性能を発揮します。
しかし、表面に汚れや割れ、欠けが残っていると、高品質な塗料だとしても、うまくくっつかずに剥がれてしまうのです。
そのため外壁塗装を長く美しく保ちたいのであれば、下地の状態を万全にしてから塗装を進めなければなりません。
密着不良の原因 | 起こりやすいトラブル | 補修による改善効果 |
---|---|---|
表面の汚れ(ホコリ、コケ、旧塗膜) | 塗料が弾かれてムラや剥がれが発生 | 高圧洗浄で除去し、塗料が均一に乗るようになる |
クラック(ひび割れ) | クラックに沿って塗膜が割れたり、再発しやすい | 亀裂を埋めて平滑にし、塗膜の割れを防止 |
欠け・剥がれのある下地 | 凹凸が原因で塗りムラや浮きが出る | パテやモルタルで成形し、滑らかな下地を確保 |
浮いた旧塗膜 | 新しい塗膜が接着せず、短期間で剥離する | 浮いた部分を除去し、塗料がしっかり定着する面を作る |
下地補修を行えば塗装面が滑らかになり、塗料がまんべんなく吸着します。
建物の安全性を守る
モルタルの浮きや外壁のひび割れを放置すると、やがて外壁材が剥がれ落ち、通行人や周囲の建物への被害につながることがあります。
劣化症状 | 想定されるリスク | 下地補修による効果 |
---|---|---|
モルタルの浮き | 外壁の剥落、落下事故、第三者への被害 | 浮きを除去・密着回復し、落下リスクを未然に防止 |
外壁のひび割れ | 雨水浸入による木材腐食、鉄筋のサビ、構造劣化 | ひびを埋めて水の侵入を防ぎ、構造材の保護につなげる |
劣化の長期放置 | 建物全体の耐久性低下、修繕費用の増大 | 劣化の進行を抑制し、建物の寿命を延ばせる |
強風や地震が引き金となって事故が起こるケースが多いため、事故が起こる前に下地補修による対策を行わなければなりません。
さらに、下地補修に寄って劣化の進行を抑えられれば構造への負荷が軽減され、結果として建物の寿命を伸ばせます。
このように、単に落下リスクを防ぐだけでなく、長く快適に暮らすための基盤を整えるのが、下地補修の大きな役割なのです。
下地補修が必要な劣化症状とは
外壁は、日々の紫外線や雨風の影響を受けながら徐々に傷んでいき、ダメージが蓄積すると目に見える劣化症状として現れます。
代表的なのが、クラックと呼ばれる亀裂や、モルタルの浮きといった現象です。
こういった劣化は見た目の問題だけでなく、放置すれば建物内部にまで悪影響を及ぼすため、下地補修の対象になります。
劣化症状 | 特徴 | 補修方法 | 放置した場合のリスク |
---|---|---|---|
ヘアクラック | 幅0.3mm未満で表面だけの亀裂 | シール工法で割れを埋める | 見た目の悪化、塗膜の早期剥がれ |
構造クラック | 幅が大きく、深さがあり構造に影響 | Uカットシール工法、エポキシ樹脂注入 | 雨漏り、耐震性低下、内部腐食の進行 |
モルタルの浮き | 表面の接着が不十分、叩くと空洞音 | 浮きの除去、再充填、防錆処理 | 塗膜の割れや剥がれ、落下の危険性 |
ヘアクラック
ヘアクラックは、幅0.3mm未満の非常に細かいひび割れで、外壁の表面だけに発生する軽度な劣化です。
主に経年劣化や塗膜の収縮によって発生する劣化症状で、見た目には目立ちませんが、放置すれば塗膜の剥がれや内部劣化につながるので、外壁塗装の前にはきれいに整えておく必要があります。
補修方法としては、弾性のあるシーリング材を使って亀裂を埋める「シール工法」が一般的です。
構造クラック
構造クラックは、壁材の深い部分にまで達する大きなひび割れで、建物の動きや地盤の影響、地震によって発生します。
損傷の幅が0.3mmを超える場合や、明らかに奥行きのある亀裂が見られる場合は、この構造クラックに該当する可能性が高いです。
放置すると雨水が壁の内部にまで入り込み、鉄筋のサビや木材の腐食、耐震性の低下、雨漏りといった深刻な被害を引き起こす恐れがあります。
このような場合には、亀裂をU字型に切削してシーリング材を充填する「Uカットシール工法」や、内部から補強する「エポキシ樹脂低圧注入」など、より高度な下地補修が必要です。
モルタルの浮き
外壁素材として多いモルタル外壁は、経年劣化や地震、温度変化の影響によって下地から浮き上がってしまう場合があります。
このような状態になると、外壁の表面と内部の密着が弱くなっており、軽く叩いたときに空洞のような音がするのがひとつのサインです。
モルタルが浮いたまま塗装をしてしまうと、塗膜がしっかり密着せず、すぐに割れたり剥がれたりする恐れがあります。
このようなケースでは、浮き部分を除去してから再びモルタルを充填し、鉄筋のサビがあれば防錆処理を同時に行うなど、下地補修の段階で処理しておくことが重要です。
主な下地補修の工法
下地補修には、劣化の程度や場所に応じてさまざまな工法があります。
軽度なひび割れは簡単に補修できますが、建物の構造に関わるような大きな傷には専門的な修理をしなければなりません。
ここでは、代表的な補修方法を取り上げ、それぞれの特徴について解説します。
工法名 | 劣化症状 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|
シール工法 | ヘアクラック | 柔軟性のあるシーリング材でひびを埋め、水や塗料の浸入を防ぐ | 構造クラックや深い割れには対応不可 |
エポキシ樹脂低圧注入 | 中程度の亀裂、モルタルの浮き | 内部から樹脂を注入して補強し、構造安定性を回復 | 技術力と専用機材が必要 |
Uカットシール工法 | 構造クラック | 割れをU字にカットし、密着力の高い補修材を充填 | 工期と費用がかかるが再発リスクは低い |
モルタル補修(爆裂補修) | モルタルの浮き、欠損、鉄筋の露出 | 鉄筋の防錆処理後に再充填。構造の補強と見た目の修復を両立 | 専門性が高く、施工者の技術が問われる |
シール工法
シール工法は、細かいヘアクラック等の軽微なひび割れに対してよく使われる補修方法です。
傷にシーリング材を充填し水の浸入や塗料の剥がれを防ぐ手法で、特に初期の劣化症状に対して効果があります。
材料には、変性シリコンやポリウレタン系が用いられ、施工が比較的簡単で短時間で終わるので、費用を抑えつつ下地補修を行いたい現場に向いています。
エポキシ樹脂低圧注入
中程度の亀裂やモルタルの浮きに対しては、エポキシ樹脂低圧注入工法を行います。
これは、ひび割れ部分に小さな穴を開け、そこから専用のエポキシ樹脂をゆっくりと注入していく方法です。
エポキシ樹脂は固まると非常に強く接着するため、内部からクラックや空洞をしっかりと補強でき、外壁自体を安定させる効果が期待できます。
施工には専門的な技術と機器が必要ですが、塗料の割れを根本から改善したい場合に有効な補修手段です。
Uカットシール工法
Uカットシール工法は、構造クラックと呼ばれる大きなひびに使用される手法です。
まず、亀裂部分をU字型にカットしてから、その溝にプライマーとシーリング材を充填します。
単なる表面補修に比べて密着力が高くひび割れの再発を防ぐので、建物の動きや地震が多い地域で安心して利用できる方法です。
モルタル補修(爆裂補修)
「爆裂」とは、モルタルの浮きや欠損が進行し、内部の鉄筋が露出してサビが発生する現象です。
爆裂の補修では、まず傷んだ部分を丁寧に除去し、鉄筋に防錆処理を施してから新たにモルタルを充填して仕上げます。
この工程を怠ると、塗装後すぐに同じ部分が剥がれる、あるいは鉄筋の劣化が進行するといった深刻な問題が発生する恐れがあるため、下地補修の中でも重要な工程です。
爆裂補修には専門的な判断と施工技術が求められるため、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
まとめ:下地補修で長持ちする外壁塗装を
外壁塗装は見た目を美しくするだけでなく、住まいを雨風や紫外線から守る大切なメンテナンスです。
しかし、その効果をしっかりと発揮させるには、塗装前の下地補修を丁寧に行う必要があります。
ひびや浮きといった劣化を放置したまま塗装をしてしまえば、すぐにトラブルが発生し、せっかくの工事が無駄になりかねません。
建物の状態を正確に見極め、適切な工法で下地補修を行うことで、塗装の持ちを高め、建物全体の寿命を伸ばしていけるのです。
これから外壁塗装を検討される方は、ぜひ下地補修に注目して、長く安心して暮らせる住まいを実現してください。
そのほか、下地補修と共に大切な外壁塗装の準備については外壁塗装を成功させる「準備作業」の基本と工夫が参考になります。
ご自宅の外壁に気になる劣化症状がある方は、いつでもリペイントワンが駆けつけます。専門スタッフが丁寧に診断し、最適な補修プランをご提案いたしますので、小さな疑問でもお気軽にお問い合わせください。
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