積水ハウスの外壁塗装|特徴・メンテナンス・費用まで完全ガイド

外壁塗装は、建物の資産価値を維持・向上させるうえでも非常に重要なメンテナンスです。
特に、積水ハウスのような大手メーカーの住宅では、高性能の外壁材が用いられていることが多いものの、経年劣化はどうしても避けることができません。よって、適切な時期に確実な塗装工事を行うことで、建物の寿命を最大限に延ばし、快適な住環境を長く維持することが可能となります。
この記事では、積水ハウスでご自宅を建てられた方のために、外壁塗装について詳しく解説します。
目次
積水ハウスの外壁塗装の重要性

積水ハウスは、日本を代表する大手ハウスメーカーのひとつです。高品質でデザイン性に優れた住宅を供給し、多くの施主から厚い信頼を得てきました。そんな積水ハウスで建てられた住宅といえども、定期的な外壁塗装やメンテナンスは避けられません。
外壁塗装を怠ると、建物の美観が損なわれるだけでなく、雨漏りや建物内部の劣化など、構造的な問題に発展する可能性があります。
積水ハウスのオリジナル外壁材「ベルバーン」とは
積水ハウスの外壁材として特に有名なのが、オリジナルの高耐久サイディング「ベルバーン」です。ベルバーンは、セメント系サイディングの一種で、強度・耐候性・防火性に優れています。特徴的なのは、塗料に独自の技術が採用されており、汚れや傷が付きにくく、美観が長持ちしやすい点です。
ベルバーンの主なメリットは以下の通りです。
デザイン性
テクスチャやカラーバリエーションが豊富で、住宅のイメージに合わせやすい。
高い耐候性
紫外線や雨風の影響を受けにくく、色あせや塗膜の劣化が起こりにくい。
防火性能
建築基準法の定める防火基準をクリアしており、火災時の延焼を遅らせる効果が期待できる。
セルフクリーニング機能
ナノレベルのコーティング技術で雨水とともに汚れが流れ落ちやすい。
ただし、いかに優れた外壁材といえども、経年変化や建物の立地条件によっては、汚れ・色あせ・ひび割れが発生してしまうこともあります。そのため、早めの点検や定期メンテナンスが非常に重要です。
築年数による外壁劣化の進行と塗装のタイミング
積水ハウスの外壁でも、築5年が経過する頃から少しずつ劣化症状が現れる場合があります。特に、北側や日当たりの悪い面では藻や苔が繁殖しやすく、壁面がうっすらと黒ずんでくることがあります。
ただし、この段階で大きな不具合が生じることは少なく、簡易的な洗浄や部分的な補修によって改善できるケースが多いです。
築10年に差しかかると、塗膜の光沢が落ち始め、色あせが目立つようになることがあります。築年数だけでなく、潮風の当たる海岸地域や工業地帯など、外的環境が厳しい場所では塗膜の劣化速度が早まる傾向がありますので、10年を待たずして劣化サインが出る場合もあります。
築15年以上経過した場合の注意点
築15年以上経過すると、表面に粉状の物質が付着するチョーキング現象や、外壁の微細なひび割れなどが見られる場合があります。チョーキング現象は塗装の劣化サインのひとつで、これが現れたら早急に再塗装を検討すべきです。
ひび割れに関しては、建築材の内部まで影響が及んでいる可能性もあるため、専門業者に診断してもらうことが大切です。
積水ハウスの推奨では、築12年前後がひとつの目安とされていますが、地域の特性や日射量、風の強さなどで劣化スピードは大きく変わるため、定期的な点検や早期の対策が重要です。
積水ハウスが推奨する外壁塗装の時期と理由
積水ハウスでは、外壁の塗り替え目安を築12年前後として紹介しています。
この時期は、サイディング材や塗膜の耐久年数を踏まえた判断であり、日常的に点検をしていれば劣化の兆候が現れ始める時期でもあります。特に、ベルバーンなどの高耐久サイディングであっても、シーリング(コーキング)の劣化や、細かなクラックなどは避けられません。
早めの塗り替えが必要なケース
以下のような条件下では、築8〜10年程度でも塗り替えが必要となる場合があります。
工業地帯近く
大気中に含まれる化学物質や排煙、粉塵などによるダメージが強く、外壁の劣化スピードが上がる。
紫外線量の多い南面
日照時間が長い南側の外壁は、他の面と比べて色あせや塗膜の劣化が顕著に進む。
立地環境や施工状況によっては、大手ハウスメーカーの建物であっても早めの塗装が必要となるケースがあるため、自宅が上記の条件に当てはまる場合はこまめに点検を依頼するようにしましょう。
積水ハウスの外壁塗装工事の流れと使用塗料
代表的な塗料の種類
積水ハウスの外壁塗装では、建物の状態や施主のニーズに合わせて複数の塗料から最適なものを選びます。一般的な塗料の種類と特徴は以下の通りです。
シリコン系塗料 | 約15年 | コストパフォーマンスに優れ、スタンダードな選択肢。適度な耐久性と価格のバランスが良い。 |
フッ素系塗料 | 約20年 | 高耐久で、再塗装のサイクルを長く取れる。初期費用は高めだが、トータルコストを抑えられる場合も。 |
ハイブリッド型塗料 | シリコン系とフッ素系の中間程度 | シリコン系とフッ素系のメリットを組み合わせた、新しい選択肢。耐久性とコストのバランスを追求したい方向け。 |
外壁材との相性や、希望する耐用年数、メンテナンスの頻度を考慮して塗料を選定すると、コスト面でも満足度が高くなるでしょう。
外壁塗装工事の標準的な工程
積水ハウスの外壁塗装に限らず、一般的な塗装工事は以下のような工程で進められます。
事前調査・養生
- 専門スタッフが外壁の状態をくまなく調査し、劣化具合や下地の傷みをチェック。
- 窓、屋根、庭木、エアコン室外機などにビニールシートやテープを使って養生。
高圧洗浄
- 高圧洗浄機で外壁全体を洗浄し、汚れ・古い塗膜・苔・藻などを取り除く。
- この工程を適切に行うと、下塗り材や新しい塗料の密着性が向上。
下地補修
- 外壁にクラック(ひび割れ)やシーリング(コーキング)切れがあれば、ここで補修・打ち替えを実施。
- 下地処理をしっかり行うことで、後々のトラブルを防止。
下塗り
- プライマー(下塗り材)を塗布することで、外壁材との密着力を高める。
- 下塗りの質が仕上がりに大きく影響するため、手抜きは厳禁。
中塗り・上塗り
- 選択した塗料を2回にわたって丁寧に重ね塗り。
- 塗りムラを防ぎ、塗膜を厚くすることで耐久性を高める。
積水ハウスの外壁塗装にかかる費用と追加工事
積水ハウスの外壁塗装にかかる費用は、一般的な戸建て30坪〜40坪規模の場合で、120万円〜180万円程度が相場とされています。これは、塗料のグレードや施工面積、建物の立地、追加工事の有無などによって大きく変動します。平米単価で見ると、以下が目安となります。
- シリコン系塗料:4,500〜5,500円/㎡
- フッ素系塗料:6,000〜7,000円/㎡
- ハイブリッド型塗料:5,500〜6,500円/㎡
同じ外壁塗装でも、高耐久塗料を選べば初期費用は高くなる一方で、再塗装のスパンを延ばせるため、長期的にはコストメリットが出るケースもあります。
追加工事の事例と費用
外壁塗装を行う際には、状況次第で付帯部や屋根塗装などの追加工事が必要になる場合があります。以下は代表的な例とその目安費用です。
- シーリングの全面打ち替え:20万〜30万円
- 軒天・破風板の補修:15万〜25万円
- 雨樋の交換:10万〜20万円
- 足場の追加設置:10万〜15万円
足場は外壁塗装の際に必ず必要になりますが、屋根や付帯部も同時に施工すれば、足場代の重複を防げる可能性があります。見積もりを取るときには、全体的にどの部分をどこまで補修するのかを明確にしてもらうのがポイントです。
外壁塗装を依頼する施工業者選びのポイント
積水ハウスで建てられた住宅の外壁塗装では、次のような業者による外壁塗装の選択肢があります。
積水ハウスの指定業者・グループ会社
大手ハウスメーカーの積水ハウスでは、独自の下請け・関連会社や指定工事店と提携しています。積水ハウスの住宅や外壁材について熟知している業者に依頼すれば、仕様や施工手順が統一され、施工不良のリスクが低くなるメリットがあります。
しかし、メーカーならではのブランド料や中間マージンが加わり、費用が割高になる傾向があります。
地元の優良業者に依頼するメリット
積水ハウスの外壁塗装を行う際、必ずしもメーカー経由で依頼しなければならないわけではありません。地元の塗装業者やリフォーム会社など、外壁塗装を得意とする優良業者に直接相談・依頼するという選択肢もあります。そのメリットは以下の通りです。
コスト削減
- 大手メーカーに依頼すると、中間マージンやブランド料が上乗せされ、全体的な費用が高くなる。
- 地元業者なら、仲介コストを削減できるため、同じ工事内容でもより安価になる場合が多い。
地元ならではの細やかなサービス
- 近隣に拠点がある業者なら、打ち合わせや見積もり、施工時の対応がスピーディ。
- 施工後のアフターフォローやトラブル対応も迅速に行ってくれる可能性が高い。
確実な施工の担保
- 「大手メーカーが施工をする」と言っても、実際の作業は下請けの職人が行うケースがほとんど。
- 地元で長年の実績を持つ優良業者であれば、経験豊富な職人が直接施工するため、むしろ高品質な施工が期待できる。
このように、費用面のメリットが大きいだけでなく、地元業者のほうが細やかで柔軟な対応をしてくれることが多いです。積水ハウスに限らず、多くのハウスメーカーの下請けに地元業者が入っている現状を踏まえると、直接依頼するほうが合理的といえます。
メンテナンスと定期点検の重要性
外壁塗装後に行うべきメンテナンス
外壁塗装が完了したからといって、全てのメンテナンスが終わるわけではありません。定期的な点検や軽微な補修を行うことで、新しく塗り替えた外壁の寿命をさらに延ばすことができます。特に、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
- 外壁表面の目視チェック:色あせや汚れの程度を年に1回程度確認。
- シーリングの状態:時間が経つと硬化や亀裂が入るため、早めの部分補修が必要。
- 雨樋の詰まり・破損:枯れ葉やゴミが溜まっていると、雨水の排水がうまくいかず外壁や屋根にダメージを与える。
- ベランダやバルコニーの防水:床面のひび割れや劣化に注意し、雨漏りを予防。
定期点検で建物の資産価値を維持
積水ハウスの住宅はそもそも高品質で設計されているものの、定期的に専門家による点検を受け、外壁や屋根、室内の設備まで一緒にチェックしてもらうと安心です。小さな傷みや雨漏りを早期に発見できれば、大規模修繕が必要になる前に対処できます。また、建物の状態を良好に保つことは、将来売却する際の査定額にも有利に働きます。
外壁塗装における積水ハウス依頼と地元業者依頼の比較
積水ハウスに依頼する場合の特徴
- メリット
- 施工実績が豊富で、積水ハウス独自の外壁材や工法に詳しい。
- 保証体系が整っており、メーカーとしての安心感がある。
- デメリット
- 工事費用が高額になりがち。
- 実際に作業を行うのは下請け業者であり、必ずしもメーカー社員が施工するわけではない。
地元業者に依頼する場合の特徴
- メリット
- コストを抑えられる、追加工事なども融通が利きやすい。
- 施工完了後のアフターフォローが迅速。
- 口コミや評判を調べやすく、地元での実績を確認できる。
- デメリット
- 業者選びを誤ると施工品質に差が出る可能性がある。
- メーカー保証などと比べて保証内容が限定的な場合もある。
メーカー依頼より地元の優良業者がおすすめ
積水ハウスの外壁塗装を検討する際、施主が最初に思い浮かべるのは「メーカーにそのまま依頼する」という選択肢かもしれません。メーカーに依頼すると、安心感や統一感が得られる一方で、ブランド料や中間マージンが上乗せされ、最終的な工事費用は高額になるケースが多いです。
また、実際に施工を担当するのは、メーカーが下請けに出した業者であることが一般的です。そのため、「メーカーに依頼する=メーカー社員が直々に塗装する」わけではなく、最終的には下請けの職人の腕に大きく依存します。もし、地元で評判の良い塗装専門店やリフォーム会社があるのであれば、直接依頼するほうが費用を抑えやすく、施工品質のチェックもしやすいというメリットが生まれます。
もちろん、地元の業者の中にもピンからキリまで存在するため、口コミや施工実績、資格の有無、保証内容などをしっかり確認する必要があります。しかし、優良業者を見極めさえすれば、余計なマージンを払わずに済み、きめ細やかなサービスが受けられる可能性が高いのです。